設 立 趣 意 書


私ができる、全ての気持ちを私の前に現れた人に、捧げる。

このきっかけはウィーンにて世界を視たときから始まった。
屈託のない笑顔でよく笑う子が、同級生にいた。私も言葉がよく解らず、唯一緒に遊んでいた。
私は最初の授業で、自己紹介をする折りに、街を見たいからと言った。
しばらくしてドイツ語がわかるようになり、彼女がそこに来た理由を聴く時がくる。
両親を殺され、姉が犯され、生きるために、一人亡命したことを知った。
衝撃だった。
自分の、いかにぬるいことか。
ボスニア紛争の開始だった。
その頃、私は夜な夜なある居酒屋にゆき、音楽奏者、そして、その国の警察官達と話をしていた。
私は、ふと彼らに言った。
「この国に生まれたら良かったね」と。
即座に強く叱られた。

「自分の祖国を忘れるんじゃない。
今世界に壁はある。
しかし、お前の時代には無くなる。
その時お前に何ができるのか。
世界を観よ!」

自分だけではない。
それでも、自分がなければ、他者を救えない。
もし、歳をとり、友が一国の指導者になった時、彼は親友が生きている相手国を侵すだろうか。
それから、一心に考え続けた。
その居酒屋は奇しくもフロイトのなじみだった。
私の命は世界に捧ぐ。
そのために、自分の能力を高める修練を行なうこと。
100%を出せる自分を保持する努力をする。

現在の日本は、いかなる環境にあるか。
かつての家族制度はなくなり、勤労は見えづらく、その報酬は貨幣のみの対価に代わられている。
勤労による真の喜びは何か。
そして、何を後世に伝えてゆくのか。
その橋渡しを行なうことが、必要と感じる。
今の家庭のみではできない、学校のみではできない、社会のみではできない支援を、
「企業」という組織を通して実行、実現することを設立の目標とする。
先ず、人々が安定できる環境を整えるために、企業単位のコンサルティングを行なう。

「人は不完全であり、全て例外である」ことを念頭に、一人一人の特性を充分に活かし、
個人単体から、集合体、企業体、社会体、地球体に至るまで、連帯の安らぎと、
個人の誇りを尊重する仕組みを実現するため、ANSWER WIND株式会社の設立をここに行なう。
また、本日参集頂いた仲間に深く感謝する。

発起人 桐生 岳
発起日 2008年12月 4日
設立日 2008年12月10日
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